MENTAT®が家族に与える安心感
~視覚化された画面が伝える治療の足跡~
60年を越える長い歴史を持ちながら、精神科救急医療に特化し、平成20年にはスーパー救急病棟を設置するなど、前進を続けてきた下関病院。
院長の水木先生がMENTAT®を導入することで改善したいと感じていたのはどんなところだったのでしょうか?
「精神科に特化したアプリケーションがあると聞き、臨床に活用できないかという期待がありました。精神科の場合、状態像が具体的な数値で出てくるわけではありません。そこが難しいところであり課題だと感じています。MENTATは患者さんに関する注意すべき点などの情報を示してくれます。しかもそれを可視化して、表してくれる今までになかったソリューションです。これは患者さんのことを把握する上でとても有用だと感じて導入することにしました。
現代の精神科医療においてはいろんな視点で患者さんを見るということ。そしてそれぞれの専門知識をもって情報共有していくことが大事だと感じています。医師だけではなく看護師、コメディカル、多職種で情報を共有する意味でも、MENTATは有用だと感じています。
現時点では、医師が患者さんの状況を把握する、といった使い方では積極的に使っていますが、もっと院内に普及させていくことで、チーム全体でMENTATを使ってカンファレンスをやっていきたいと考えていて、期待は広がっています」
MENTAT®のできることの中で、水木理事長が特に積極的に活用しているのはどのような部分なのでしょうか?
「過去にどんな薬を使ったか、これまでカルテをいちいち見ていた処方歴が一目でわかり、経時的に把握することができるのは画期的だと思っています。
診療では、MENTATの画面を直接患者さんやその家族に見ていただいています。これまでは、どういう薬が何錠、と一つ一つ伝えるしか方法はありませんでした。専門的な知識がない患者さんや家族が理解するのは難しかったのではないかと思います。
MENTATを使うと、入院したときは薬がこれだけあったのが、今はこれだけ減っている、などグラフで表してくれるので、説得力があるし、それぞれが納得することに繋がると思います。
そもそも精神科医療において状態像など詳しいことを患者や家族に説明するのは難しいです。その時々によってイベントが起きますし、逐一説明するというのはなかなかできません。また、説明もいつでもできるわけではないので、1度の面談で、過去からの出来事を経時的に説明しなければいけません。膨大な量があるので全部を説明できるかというとそれもまた難しいですよね。
MENTATの処方推移画面では、イベントがあった時にアイコンが付くので、カルテの内容と合わせて確認しながら説明すると、このときこういうことがあった、というのが説明しやすくなったと思います。
患者さんは医師と日々面談をしていますが、特に今は新型コロナの影響もあって家族は面会できないケースも多いです。そんな中で、経過でこの時こうだったというのを説明してあげると、安心に繋がるのではないかと感じています」
水木理事長のお話には、患者さんのことだけでなく、その家族の話題が多く挙がります。
その背景には、退院後を見据えた水木先生の考えがありました。
「これまで多くの患者さんと接してきた中で感じたのは、患者さん自身だけでなく、患者さんを取り巻く環境が、治療していく上で大事だということです。その中でもとりわけ大切なのが家族。
治療に臨んでいるのは患者さんだけではありません。当然一番影響を受けているのが家族であり、その協力や理解は必須です。
そのためには、こちらからは家族に対しても同じようにアプローチをしていかないといけません。これまでうまくいかなった経験もたくさんしているので、より家族が大事だと感じるようになりました。
時にはあまり協力的ではない家族もいるので、そういう場合は、私だけでなく、コメディカルからも説明してもらったりと、様々な工夫をして対応しています。
家族の存在は、病院で治療しているときだけでなく、退院してからも続きます。家族も考え方や視点を変えてもらうと、予後や、治療継続していくうえでもだいぶ変わってくるので、非常に大事な要素だと思っています。
だからこそ家族に納得してもらえる説明をして、安心してもらうことが必要で、そこにMENTATが見せてくれる治療の足跡が寄与してくれると思います」